問題1.次のうち正しい文章を選択しなさい

1.反磁性体物質は軌道に不対電子をもっており,外部磁場Bo に置かれた場合,外部磁場Bo に対して弱い磁場が誘導される
2.反磁性体物質は軌道に不対電子をもっておらず,外部磁場Bo に置かれた場合,外部磁場Boに対して弱い磁場が誘導される
3.常磁性体物質は軌道に不対電子をもっておらず,外部磁場にさらされると磁化し,外部磁場が消失すると,常磁性体の磁化も消失する
4.常磁性体物質は軌道に不対電子をもっており,外部磁場にさらされると磁化し,外部磁場が消失すると常磁性体の磁化も消失する
5.強磁性体が外部磁場にさらされると強く引きつけられ,外部磁場が消失しても磁化したままである

(MRI完全解説p411~)軌道電子の状態によって磁性が異なる。不対電子がなければ反磁性、不対電子あれば磁性をもつ

問題2.次のうち正しい文章を選択しなさい

1.位相方向・周波数方向の傾斜磁場を一定にして FOV 大きくするには,励起パルスの周波数帯域(バンド幅)を狭くすればよい
2.スライス選択の傾斜磁場を一定にしてスライス厚を薄くするには,励起パルスの周波数帯域(バンド幅)を広くすればよい
3.画像の折り返しは,画像に含まれる最大周波数の1周期あたり2点以上のデータサンプリングがあるために起きる現象である
4.位相方向の折り返しを軽減するには,FOV を小さくすればよい
5.折り返しはデータサンプリング間隔が広すぎる為に生じる現象であり,画像の SNR は低下するが空間分解能は変化しない

1.FOV=BW/傾斜磁場強度2.×3.×4.×5.○

問題3.JIS 操作モードに関して,次のうち正しい文章を選択しなさい

1.第二次水準管理操作モードで使用する場合,院内の倫理委員会の承認を必要とする
2.通常操作モードでは、高周波出力による被検者の体幹温度上昇を 0.5℃までに抑えなければならない
3.3TMR 装置は,通常操作モードで動作している
4.第一次水準管理操作モードでは,高周波出力によって被検者の体幹温度が1℃以上あがる場合がある
5.第一次水準管理操作モードでは,傾斜磁場出力によって被検者への心臓刺激が起きる場合がある

1.○2.○3.○4.×5.×

問題4.次の条件下でのケミカルシフトアーチファクト(CSA)の大きさを求めよ静磁場強度 1.5T 装置の SE 法において,samplingbandwidth が±8kHz(16kHz),周波数エンコード方向の matrix 数 256 として求めよ.

1.約 2 ピクセル
2.約 2.5 ピクセル
3.約 3 ピクセル
4.約 3.5 ピクセル
5.約 4 ピクセル

問題5.脂肪抑制法について正しい文章を選択しなさい

1.STIR における反転時間(TI:nullpoint)は脂肪の T1 値である
2.STIR は脂肪の同定に有効である
3.化学シフト法は周波数選択性の RF を利用する
4.化学シフト法は水と脂肪の位相差を利用する
5.水選択励起法は,STIR 法に比べ磁場の不均一に敏感である

1.T1 値*0.693 2.×3.○4.×5.○

問題6.次のうちクエンチ発生時の対応として正しい文章を選択しなさい

1.緊急減磁装置を用いて磁場をおとす
2.検査室内に人がいないか確認する
3.検査室内に人がいたら,なるべく高い姿勢で救出に向かい,気化したヘリウムガスを避けて救出する
4.付近の窓やドアを開放し強制排気装置を作動させて、ヘリウムガス濃度を低下させる
5.メーカー,警備室へ連絡する

1.???2.○3.×4.○5.○

問題7.図に頭部画像を示すが,1~5の名称で間違っているものはどれか

1.三叉神経
2.中脳水道
3.視神経
4.尾状核
5.内包

図は過去問PDFを参照ください

問題8.魔法角アーチファクト(Magicangleartifact)について、正しい文章を選択しなさい

1.主磁場方向に対して,約 45°の方向を向いている場合に生じる
2.主磁場方向に対して,約 65°の方向を向いている場合に生じる
3.ある角度において,双極子?双極子相互作用が消失するために生じる現象である
4.魔法角にあたる角度が,T2 の延長を引き起こすために信号強度の変化をもたらす
5.受信帯域幅を大きくすることで改善される

1・2.55°3.○4.○5.×

問題9.MR 検査施行中の患者は「腕を組んではならない」が、その理由に最も関係する法則はどれか

1.ファラディーの法則
2.フレミング左手の法則
3.クーロンの法則
4.ビオ・サバールの法則
5.オームの法則

問題10.通常,脳脊髄液は,主としてどこで吸収されて静脈系に移行するか

1.骨髄
2.くも膜顆粒
3.側脳室
4.灰白質
5.動脈

問11.磁気共鳴について正しい文章を選択して下さい

1.1.5T のMR 装置において,90°パルスの印加時間が15msであった場合,同じ出力の電磁波を用いて180°パルスを印加するのに必要な時間は30msである.磁気モーメントは静磁場強度に比例するため、3.0Tでは90msの印加時間が必要である
2.横緩和時間は共鳴周波数幅に依存し,周波数幅は広いほど横緩和時間は延長する
3.縦緩和時間は静磁場強度と組織の相関時間に比例する
4.常磁性物質が持つ不対電子の磁気モーメントはプロトンの磁気モーメントの 658 倍である
5.緩和効果は不対電子とプロトンの距離の 6 乗に比例する

1.2.共鳴周波数幅が広いほど、横緩和時間が短縮する3.比例はしない4.○5.反比例する

問題12.静磁場強度の違いに対して正しい文章を選択してください

1.静磁場強度が2倍になると、SNR は(2/√2)倍になる
2.静磁場強度が2倍になると、ppm で表示される水と脂肪の化学シフトは2倍になる
3.静磁場強度が2倍になると、傾斜磁場強度も2倍になる
4.静磁場強度が2倍になると、バンド幅が2倍になる
5.静磁場強度が2倍になると、SAR が 4 倍になる

(MRI完全解説p398)1.○2.×3.×4.×5.○

問題13.拡散強調画像について正しい文章を選択してください

1.ADC の“みかけの”はT2-shinethroughの影響を受けるためについている
2.拡散強調画像は分子運動が少ない程、高信号である
3.b 値は高い程、全体の信号強度は高くなる
4.ADC の単位は mm/cm3 である
5.類上皮腫に比べて、くも膜のう胞の DWI の信号強度は高い

1.○2.○3.低くなる4.mm2/sec 5.×

問題14.次のアーチファクトに対する記述について正しい文章を選択してください

1.マジックアングルアーチファクトは,静磁場に対して靱帯や腱が55°の角度をなす肩の撮像で問題となり,TEの長いT2強調画像において影響が大きい
2.スティミュレイティッドエコーアーチファクトの抑制法として,スポイラグラディエントや RF スポイラーの使用などがある
3.ブルアリングの抑制法として,エコー間隔の短縮,位相マトリックスの増加,T2緩和の補正などがある
4.エリアシングアーチファクトは,フーリエ変換におけるデータ収集の有限性に起因している
5.磁化率アーチファクトの抑制法として,帯域幅を広くする,スライス厚を薄くする,エコー時間を短くするなどがある

1.×2.○3.○4.エリアシングは折りかえりアーチファクト5.○

問題15.それぞれの画像サインについての記述で正しい文章を選択してください

1.子宮頸部の短軸斜位T2強調像において stromalring の消失は頸部間質外への浸潤を疑う
2.MRCP の撮像で Penetratingductsign が認められれば浸潤性膵管癌の疑いが強く示唆される
3.胆嚢の MRC 撮像で Rokitansky-Aschoffsinuses(RAS)が認められれば腺筋症の疑いが強い
4.内膜症性嚢胞において T2 強調画像上,嚢胞の一部が著しい低信号を示すサインを shading という
5.婦人科領域の嚢胞性腫瘤において,T1 強調画像で低信号,T2 強調画像で高信号の hairball が認められ,腫瘤内部に CSA(chemicalshiftartifact)が出現していればチョコレート嚢胞が最も疑われる

問題16.3T 装置で、エコーのサンプリング時間 16ms、256 サンプリングで収集したシーケンスを用いて,マトリクス 256×256 の画像を得た。この時のケミカルシフトアーチファクトは、画像上で約何ピクセルか選択して下さい

1.3ピクセル
2.4ピクセル
3.5ピクセル
4.6ピクセル
5.7ピクセル

問題17.図2は女性骨盤の FSE-T2WI である。矢印の疾患として考えられるものを選択してください

1.endometrialcyst
2.dermoidcyst(teratoma)
3.functionalcyst
4.blueberryspot
5.adenofibroma

図は過去問PFを参照ください

問題18.正常脳のプロトン MRS において観察できるピークを選択してください

1.choline
2.creatine
3.N-acetylaspartate
4.α-ATP
5.phosphomonoesters

問題19.次の条件の SNR について正しいものを選択してください基本条件:TR(繰り返し時間)=4000ms,TE(エコー収集時間)=100ms,加算回数=2回,マトリクス=256×256,スライス数=10枚,スライス厚=10mm.FOV=300mm.BW=130Hz/pixel,撮像シーケンスはSpinEcho法を使用する.この条件で撮像した時のSN比を100%とする

1.基本条件からスライス厚を5mmに変更したときのSN比は50%に減少する
2.基本条件からマトリクスを128×128に変更したときのSN比は約283%に増加する
3.基本条件からBWを65Hz/pixelに変更したときのSN比は50%に減少する
4.基本条件からFOVを150mmに変更したときのSN比は50%に減少する
5.基本条件からFOVを150mmに変更したとき,同じSN比にするためにスライス厚を20mmにした

良く出る問題です、SNRの式は覚える。(MR撮像技術学p189)

問題20.立入制限区域について記述で正しい文章を選択してください

1.立入制限区域の入口には、安全標識を掲示する
2.立入制限区域は、0.5mG 以上の区域である
3.超電導磁石を使用する MR 検査室には、緊急排気装置と酸素モニターをつけるが換気装置は必要ない
4.MR 検査室内の温度と湿度を管理する
5.MR 検査室には電波シールドをおこなう

1.○2.0.5mT3.×4.湿度までは管理しない5.○