問題1.抗アミロイドβモノクロ-ナル抗体製剤投与に関連するアミロイド関連画像異常(ARIA)について正しいのはどれか。4つ選べ。

1.ARIA-EはT2 強調像で評価する
2.ARIA-Eは脳実質における血管原性浮腫を意味する
3.ARIA-HはT2* 強調像またはSWIで評価する
4.ARIA-Hは脳実質における微少出血を意味する
5.ARIAの発現は製剤投与から14週以内に多い

問題2.子宮頚癌の局所進展度評価において最も有用なMRI画像はどれか。2つ選べ

1.T2 強調像
2.拡散強調像
3.単純T1 強調像
4.造影T1 強調像
5.脂肪抑制T1 強調像

問題3.細胞外液性ガドリニウム造影剤がGd-EOB-DTPAよりも推奨される病態について正しいものはどれか。2つ選べ

1.肝転移
2.肝血管腫
3.高度の肝硬変
4.乏血性肝細胞癌
5.限局性結節性過形成

問題4.中脳から起こる脳神経はどれか

1.眼神経
2.視神経
3.嗅神経
4.動眼神経
5.舌咽神経

問題5.各疾患と関連する骨の組み合わせについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1.Sever病 ――――――― 踵骨
2.Kohler病 ――――――― 距骨
3.Osgood-Schlatter病 ―― 腓骨
4.Kienbock病 ―――――― 舟状骨
5.Panner病 ――――――― 上腕骨小頭

問題6.1Hの共鳴周波数が127.8 MHzのMRI装置において水と脂肪のスピンがin-phaseを繰り返す周期はどれか。ただし、C:ケミカルシフト[ppm]、γ:磁気回転比[42.6 MHz / T]とする。

1.γ / (3・C)
2.1 / (2・C・γ)
3.1 / (3・C・γ)
4.1 / (6・C・γ
5.6・C・γ

問題7.縦緩和能(r1) 4 mM-1・s-1の造影剤によって、縦緩和時間1176 msの組織が0.1 mMの濃度で造影された。造影後の縦緩和時間[ms]はどれか。

1.725
2.750
3.775
4.800
5.825

問題8.MRSについて正しいのはどれか。

1.PRESS法は位相エンコードを行う。
2.TRを変化させるとピーク比は変化する。
3.PRESS法はSTEAM法よりTEを短く設定できる。
4.磁場が不均一になるとスペクトルの幅は狭くなる。
5.加算回数を増やすとスペクトルの高さは高くなる。

問題9.生体組織の拡散強調像の撮像における拡散時間について正しいのはどれか。

1.TRで変化する
2.温度で変化する
3.MPGの印加時間のことである
4.変更するとADC値も変化する
5.変更してもb値は変化しない

問題10.圧縮センシングMRIについて正しいのはどれか。2つ選べ

1.L1ノルムは画素値の2乗和の平方根である
2.非ゼロ成分の少ない状態をスパースという
3.等間隔なk空間のサンプリングが必要である
4.ウェーブレット変換は信号の低周波成分を分離する
5.ナイキスト理論に基づくアンダーサンプリングが必要である

問11.T1 値が変化しないのはどれか

1.温度
2.表面効果
3.静磁場強度
4.造影剤の使用
5.IR pulseの使用

問題12.パルスシーケンスについて正しいのはどれか。2つ選べ

1.GRASEはFSEよりMT効果が強くなる
2.STIRはT1 値の長い組織が強調される
3.TRを延長するとSSFP状態に移行しやすくなる
4.ETLを大きくするとT2 フィルタリング効果を低減できる
5.Balanced SSFPはフリップアングルを小さくするとプロトン密度を強調できる

問題13.RFパルスとその効果の組み合わせについて正しいものはどれか。2つ選べ

1.DE ―――― T1 コントラストの強調
2.IR ―――― 横緩和の調整
3.MT ―――― 自由水の飽和
4.CHESS ――― 脂肪の抑制
5.Spoiler ―― 横磁化の消失

問題14.GRE法について正しいのはどれか。2つ選べ

1.SSFP状態にするにはTRを短くする
2.SE法に比べて磁場不均一の影響を受けにくい
3.Spoiled GRE法はT2 強調像に使われる
4.Spoiled GRE法はコヒーレント型である
5.Spoiled GRE法は残留横磁化の影響を無視することができる

問題15.MRAについて正しいものはどれか。2つ選べ

1.PC法は双極磁場勾配を用いる
2.PC法のVENCは対象血管の推定最大流速に設定する
3.TOF法はPC法に比べ流速の定量性が高い
4.TOF法はTEを延長すると血流の信号強度が上昇する
5.TOF法はMTパルスを印加すると血流と脳実質とのコントラストが向上する

問題16.拍動によるゴーストとゴーストの間隔が広くなるのはどれか。2つ選べ

1.TEの延長
2.TRの延長
3.加算回数の増加
4.受信帯域幅の広域化
5.周波数エンコード数の増加

問題17.受信帯域幅を広げると改善するアーチファクトはどれか。2つ選べ

1.磁化率
2.打ち切り
3.折り返し
4.化学シフト
5.マジックアングル

問題18.SE法と比べたときのFSE法の特徴について正しいのはどれか。2つ選

1.SARを低くすることができる
2.J結合のデカップリングにより脂肪は高信号にな
3.異なるTEのエコーから画像化するため脳実質のコントラストが上昇する
4.連続した180度パルスによる磁化移動がおこり軟部組織の信号は上昇する
5.T2 減衰によるブラーリングの抑制にはエコースペースの短縮が有効である

問題19.Balanced SSFP法について正しいのはどれか

1.信号強度はTRに依存する
2.全て定常状態で信号を収集する
3.FID、SEおよびSTEの信号を同時に収集する
4.Gd造影剤を投与しても信号強度は変化しない
5.ショット間隔によって画像コントラストは変化しない

問題20.パラレルイメージングについて正しいのはどれか。2つ選べ

1.SARを低減できる
2.SNRはreduction factorに正比例する
3.ボリュームコイルよりサーフェスコイルのほうが有利である
4.SENSE法はk-space領域で折り返し情報を展開する
5.SMASH法はコイルの感度分布を利用して折り返し画像を展開する

問題21.均一ファントム画像(強度画像)を示す。AとBは同一条件で撮像し、CはAとBの差分画像 である。これらの画像を用いたSNR測定方法について正しいのはどれか、2つ選べ。

1.ROI1およびROI2内の信号分布は等しい
2.ROI1とROI2の平均値を足した値を信号値とする
3.ROI3からノイズを求める場合は標準偏差の値に√2を乗じる
4.差分処理においてROI3の最小値が0になる閾値処理を行う
5.信号ムラやトランケーションアーチファクトの影響を排除できる

問題22.NEMAにおける均一性の評価について正しいのはどれか。2つ選べ

1.ファントム温度は20±4℃とする
2.測定ROIの最大値と最小値からスパンを求める
3.均一度は100×(Smax-Smin)/(Smax+Smin)で計算する
4.T1値が500 msのファントムを用いる場合、TRは2500 msで良い
5.AAD(absolute average deviation)は、極端に大きな偏差のピクセルの影響を受けやすい

問題23.JIS Z4952: 2022における2次元撮像のスライス厚測定(傾斜スラブ法)について正しいのはどれか。2つ選べ

1.GRE法で撮像する
2.スライスプロファイルのSNRは20以上とする
3.ウェッジが2つあるのは磁場不均一を補正するためである
4.ファントム内容液のT1 値が400 msの場合、TRは1000 msで良い
5.傾斜領域が20ピクセルの撮像条件からスライス厚を薄くする場合、FOVは小さくしなければならない

問題24.Heavy T2 強調MRCPについて正しいのはどれか。2つ選べ

1.長いTEでは濃縮胆汁の描出能が向上する
2.胆道気腫と胆道結石の鑑別はMIP像が有用である
3.長いエコースペースでは蠕動の影響が大きくなる
4.細胞外液性ガドリニウム造影剤投与後は血液の信号が抑制される
5.十二指腸乳頭切開術後は、塩化マンガン四水和物内用液の飲用後の検査が推奨される

問題25.脳のMR検査について正しいのはどれか。2つ選べ

1.ASLは局所脳血液量を定量できる
2.MRSを解析するソフトウェアにLCModelがある
3.Functional MRIの解析にはTofsモデルが用いられている
4.拡散テンソルトラクトグラフィは交差線維の描出が正確である
5.VBMを使用したソフトウェアに早期アルツハイマー型認知症診断支援システムがある

問題26.SWIについて正しいのはどれか。2つ選べ

1.動脈系の描出に適している
2.磁化率による位相差の違いを強調している
3.最小値投影画像では石灰化と出血の鑑別できる
4.血流の位相分散を促進させるために流速補正は使用しない
5.微量な鉄沈着やデオキシヘモグロビン量の違いを描出できる

問27.頭部のT2強調横断像を示す。半卵円中心レベルはどれか

1.a
2.b
3.c
4.d
5.e

問題28.大脳の神経線維束の拡散テンソルトラクトグラフィを示す。弓状束はどれか

1.a
2.b
3.c
4.d
5.e

問題29.右肩のT2 強調冠状断像を示す。上腕二頭筋長頭腱はどれか

1.a
2.b
3.c
4.d
5.e

問題30.脳実質内血腫の血球ヘム鉄の経時変化について正しいのはどれか

1.オキシヘモグロビン …→ デオキシヘモグロビン → メトヘモグロビン ……→ ヘモジデリン
2.オキシヘモグロビン …→ デオキシヘモグロビン → ヘモジデリン …………→ メトヘモグロビン
3.オキシヘモグロビン …→ メトヘモグロビン ……→ デオキシヘモグロビン → ヘモジデリン
4.デオキシヘモグロビン → オキシヘモグロビン …→ メトヘモグロビン ……→ ヘモジデリン
5.デオキシヘモグロビン → オキシヘモグロビン …→ ヘモジデリン …………→ メトヘモグロビン

問題31.緊急検査で撮像された拡散強調像を示す。この患者の症状について最も疑われるのはどれか

1.構音障害
2.右視野障害
3.左視野障害
4.右上肢麻痺
5.左上肢麻痺

問題32.小脳橋角部のT1 強調像、T2 強調像および拡散強調像を示す。矢印が示す腫瘤として最も疑われる疾患はどれか。

1.髄膜腫
2.類皮嚢胞
3.神経鞘腫
4.くも膜嚢胞
5.類表皮嚢胞

問題33.健常成人の脳(図左が関心領域)の1H-MRSスペクトラム(TR 2000 ms, TE 35 ms)を示す。矢印が示すピークの代謝物はどれか

1.Lactate
2.Myo-inositol
3.N-acetyl aspartate
4.Creatine and phosphocreatine
5.Choline-containing compounds

問題34.心臓MRI検査でECVを計測するために必要な血液検査データはどれか

1.eGFR
2.赤血球数
3.血小板数
4.ヘマトクリット
5.コリンエステラーゼ

問題35.肝臓疾患の造影剤使用について正しいのはどれか

1.Gd-EOB-DTPA造影剤投与後のT1 強調像で、1 cm以下の転移性肝癌の検出能は報告されていない
2.肝硬変のSPIO造影剤投与後の画像では、T2 強調像やT2* 強調像で肝実質の信号低下が増強される
3.「肝内胆管癌診療カイドライン2021年版」では、肝内胆管癌の腫瘍進展範囲の診断にGd-EOB-DTPA造影剤を推奨している
4.「画像診断ガイドライン2021年版」では、肝細胞癌と肝血管腫の鑑別にGd-EOB-DTPA造影剤を使用した検査を行うことを推奨している
5.「画像診断ガイドライン2021年版」では、肝細胞癌と限局性結節性過形成の鑑別にGd-EOB-DTPA造影剤よりも細胞外液性Gd造影剤が推奨される

問題36.足部のT2 強調像とT1 強調像を示す。最も疑われる腫瘍はどれか

1.腱鞘巨細胞腫
2.足底線維腫症
3.ユーイング肉腫
4.グロームス腫瘍
5.モートン神経腫

問題37.医療機器及びその他品目のMR環境における安全のための表示に関する標準実施要領に関するJIST62570(2018年)について正しい組み合わせはどれか

1.ア:MR適合 イ:MR非適合 ウ:MR条件付適合
2.ア:MR条件付適合 イ:MR非適合 ウ:MR適合
3.ア:MR非適合 イ:MR適合 ウ:MR条件付適合
4.ア:MR適合 イ:MR条件付適合 ウ:MR非適合
5.ア:MR条件付適合 イ:MR適合 ウ:MR非適合

問題38.JIS Z 4951:2017 について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.1全身 SAR の通常操作モードは 4 W/kg 以下である。
2.MR コンソールに表示されている B1+rmsは 5秒間の平均予測値である
3.第一次水準管理操作モードでの全身 SAR 上限値は、周囲温度に依存しない
4.第一次水準管理操作モードでの静磁場強度の上限は、4 Tから8 Tに引き上げられた。
5.頭部 SAR の上限値は、通常操作モード、第一次水準管理操作モードともに 3.2 W/kg である

問題39.JIS Z 4951:2017 について正しいものはどれか。2つ選べ

1.PNS上限値の決定方法として直接決定による方法とデフォルト値による方法の2通りがある。
2.長時間MR検査の比吸収エネルギー上限値はMR検査当たり240 W・min/kgに制限されている。
3.MR装置は架台内の患者の位置で99 dBより高いピーク音圧レベルの騒音を生じてはならないと規定されている。
4.RF 送信モードについて、操作者が望めば、円偏波 RF を使用する場合は LP という表示を確認することができる
5.MR条件付適合植込物を装着した患者を撮像する場合は、操作者が植込物に応じた上限値を設定できるオプションをつけるように定められた

問題40.磁気遮蔽について正しいのはどれか

1.RF磁場は導電体で覆うと遮蔽できる
2.遮蔽された静磁場内の均一性は低くなる
3.能動遮蔽を行うと超伝導磁石近傍の磁場勾配が低くなる
4.能動磁場遮蔽コイルの通電は静磁場コイルと同方向に行う
5.受動磁気遮蔽には透磁率・保持力が共に高い材料が適してい

問題41.Ice waterファントム(0℃)のADC[×10-3mm2/s]値として最も近い値はどれか

1.0.11
2.0.55
3.1.1
4.5.5
5.11

問題42.QDコイルについて正しいのはどれか

1.SARはLPコイルの√2倍になる
2.SNRはLPコイルの√2倍になる
3.二つのコイルを平行に配置す
4.コイルの負荷はLPコイルより大きくなる
5.片方のコイルに流す電流の位相を180°遅らせる

問43.患者を漏えい静磁場による傾斜部分から磁石内に搬送するときの許容される動きの速度は、患者への最大dB/dt値が何 [T/s]を超えないように制限しなければならないか。

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

問題44.傾斜磁場出力の上限値について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.通常操作モードでは、PNSしきい値レベルの80%を超えないレベルで作動しなければならない
2.通常操作モードでは、心臓刺激しきい値レベルの80%を超えないレベルで作動しなければならない
3.第一次水準管理操作モードでは、PNSしきい値レベルの100%を超えないレベルで作動しなければならない
4.第一次水準管理操作モードでは、心臓刺激しきい値レベルの100%を超えないレベルで作動しなければならない
5.第二次水準管理操作モードでは、倫理委員会による同意書が取得され上でその研究用プロトコルで撮像を行うのため、基本的にPNSや心臓刺激についての規制はない

問題45.第一次水準管理モードで全身SARの上限値は周囲温度が25℃で4 W/Kgである。周囲温度が33℃の場合の上限値は何 [W/Kg]になるか。

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

問題46.ASTM基準のMR適合試験のうち静磁場の磁束密度に関連した方法はどれか。2つ選べ。

1.F2182(発熱)
2.F2052(変位力)
3.F2213(回転力)
4.F2503(マーキング)
5.F2119 (アーチファクト)

問題47.尿中と糞中の両方に排泄されるMR造影剤はどれか

1.ガドブトロール製剤
2.超常磁性酸化鉄製剤
3.塩化マンガン四水和物製剤
4.ガドキセト酸ナトリウム製剤
5.クエン酸鉄アンモニウム製剤

問題48.「MRI検査時の鎮静に関する共同提言(2020年2月23日 改訂版)」について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.どの鎮静薬も危険である
2.鎮静担当医も読影行為を行う
3.パルスオキシメーターは換気のモニターである
4.鎮静の深さに応じた安全基準を設けることの意義は大きい
5.モニターの有無は問わず、とにかく監視をすることが重要である

問題49.令和元年8月1日付け薬生機審発0801第1号、薬生安発0801第4号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長、医薬安全対策課長連名通知「植え込み型医療機器等のMR安全性にかかる対応について」の安全性評価として相応しい規格はどれか。

1.IEC
2.JIS
3.JSA
4.ASTM
5.NEMA

問題50.「肝MRエラストグラフィ撮像・管理指針(2022年3月23日 日本医学放射線学会理事会承認)」について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.1.5 Tもしくは3 Tの装置で撮像する。
2.臨床で使用するにあたり、事前に1名以上のボランティア撮像を行う
3.専用の加振装置の定期的な点検などを磁気共鳴専門技術者が5年に1回以上確認を行うこと。
4.肝MRエラストグラフィ画質管理者は画質の管理とともに、他の施設との互換性を担保し、標準的な保険医療を目指すことが望まれる
5.肝MRエラストグラフィ画質管理者を磁気共鳴専門技術者あるいはそれに準ずる者、放射線診断専門医、および肝臓専門医の中から1名定めること